2014年5月15日木曜日

【でっとばい7号】アイルランド“救済”675億ユーロの救済融資、895億ユーロが銀行へ(2013-12-27)

ATTACヨーロッパ・プレスリリース2013年12月27日
アイルランド“救済”675億ユーロの救済融資、895億ユーロが銀行へ


原文

アイルランドのキャッシュフローに関するアタックの調査で、アイルランド政府から金融セクターに流れた金額が、政府が受けた救済融資額をはるかに上回ることがわかった。EUの危機対策は、銀行システムに何十億ユーロもの金を注ぎ込むために庶民の血と経済を絞り取るというものだ。


詳細な計算と資料は:http://www.attac.at/uploads/media/backgroundmaterial_ireland_english.pdf

12月15日、アイルランドはトロイカ(欧州委員会、欧州中央銀行ECB, 国際通貨基金IMF)による“救済"プログラムの最初の卒業国となった。欧州の政治エリートはアイルランドの”サクセスストーリー“を喧伝しているが、アタックは実際の数字に注目した。アイルランドは2010年末以降、救済融資として675億ユーロを受け取ったが、同期間、895億ユーロに上る資金が国から金融機関へと流れていた。

国から金融機関に流れた資金の内訳

・ アイルランドの銀行への直接資金注入:181億ユーロ
・ アイルランド国家の債権者へ:58億ユーロ。うち375億ユーロが国債満期償還、183億ユーロが国債利払い
・ 国家資産管理機構(NAMA)へ:16億ユーロ。NAMAはアイルランド国内銀行の不良資産を買い集めたバッドバンクで、政府が保証する。
・ Irish Bank Resolution Corporation (IBRC:アイルランド銀行整理会社)救済のためのこれまでの支出 - 140億ドル。IBRCは破産し国有化された二つの銀行が合併したもの。うち129億ユーロがNAMAによるIBRCの資産買取、11億ユーロが政府保証の結果、同銀行の債権者に支払われた。

アタック・オーストリアのリサ・ミッテンドレインは「この“救済”の期間、アイルランドは救済融資で受けとる以上の資金を金融機関に注ぎ込みました。アイルランド市民を締め付け、欧州の銀行セクターが生き残る代金を彼らに払わせたのです。」と結論付ける。

道を踏み外したアイリッシュ政府をトロイカがさらにとんでもない方向に誘導

この救済プログラムで、アイルランド市民は他のユーロ諸国よりはるかに巨大な銀行救済の重荷を背負う羽目になった。2008年から2010年の間に、765億ユーロが直接・間接にアイルランド国内の金融機関に流れた。「アイルランド政府は無制限の銀行救済政策を決定しましたが、トロイカがそれをさらにとんでもない方向に誘導したのです」とミッテンドレインは批判する。

ヘッジファンドへの返済肩代わりをECBがアイルランドに強要

アイルランド政府の危機対策の詳細には、トロイカの影響が大きく現れている。アイルランドは銀行を国有化してしまったために、政府保証のついていなかった債務まですべての債権者に返済をしなくてはならない。EU議会の委託を受けた専門家の報告を見ても、ECBが「アイルランドの銀行への緊急融資を引き上げる」と脅してアイルランド政府にこのような政策を取らせたことがわかる。全債権者への全額返済は救済合意の内容となっていなかったにもかかわらず、またIMFは政府保証を受けていない債券保有者の損害負担(ヘアカット)を助言していたにもかかわらず、このような政策が採られた。これによってECBは、ヘッジファンドのような多分に投機的な投資家まで保護した。これらの投資家は、銀行がつぶれるか国に救済されるかの瀬戸際のときもそれを知りつつアイルランドの銀行に高利で融資していた。報告書はECBは権限を逸脱した恐れがあり、将来はトロイカから外すことを提言している。

利得者は金融界の紳士録メンバー

無保証債券保持者の身元は、政治エリートたちにより秘密にされている。元ブローカーでブロガーのポール・ステインズが、アイルランド最大の破産を引き起こしたアングロ・アイリッシュ・バンクの債権者リストの一部をリークしている。それにはアリアンツ、バークレー、クレディ・スイス、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス、HSBC、ソシエテ・ジェネラルといった大物国際金融機関が含まれている。ライフェイセン、エルステ銀行といったオーストリアの銀行の子会社までステインズのリストに記載されている。

2013年10月、ドイツの財務大臣ヴォルフガング・ショイブレはアイルランドに関して「アイルランドはやるべきことをやった・・そしていま、すべては順調だ。」とコメントしている。リサ・ミッテンドレインはこの態度を厳しく批判する。「順調なのは欧州の金融エリートだけだ。うまくいってるのは救済された銀行セクターの紳士名鑑に乗るような人たちだけで、一般市民ではない。これは全然サクセスストーリーなどではない。」

国民年金基金の略奪

アイルランド市民は暴力的な緊縮政策を通じて、金融機関の蓄財のための資金を払い続けている。 アイルランドは自身の“救済”のために175億ドルを支出したが、うち100億ドルは国民年金基金NPRFから流用された。この基金は元々、将来のアイルランド市民の年金を確保するために立ち上げられたものだった。この金は資本注入として直接銀行にまわされた。

2013年末、政府はこの基金全体を投資基金に変えることを決定した。将来の年金の確保はもはや第一優先事項ではなくなった。何より民衆は6年続いた緊縮政策で手ひどく痛めつけられている。付加価値税(VAT、日本流に言えば消費税:訳注)は23%にアップ。児童手当は引き下げ、若者への失業手当は半分に減らされ、大学授業料は2500ユーロへと3倍に上がった。すべてひっくるめて、280億ユーロ以上の金が2008年以降、アイルランド社会から搾り取られてきた。

EU最大の移民送り出し国

緊縮政策が社会に与えた影響は甚大だ。人口の約3分の1が、貧困、または社会からはじき出される恐れがある。10人に1人が飢餓に苦しんでいる。最貧層が自由に使える収入は一年間で26%の減収、一方で最富裕層の収入は8%増加した。これは危機対策政策が社会的に偏っていることを如実に表している。すでにこの4年間で30万人が国外に移住していったが、国内に残っている18歳から24歳の年齢層の2人に1人も国を去ることを考えている。2012年、アイルランドはEU最大の移住(離国)率を記録した。わずか6年前には、同国は欧州最大の移民受け入れ国だったのだ。

増え続ける政府債務

声高に喧伝されるサクセス・ストーリーとは裏腹に、アイルランド経済は回復からは程遠い。現在のGDPは危機前より12.6%低い。失業率は13%、危機前と比べて2倍以上だ。若年層失業率は27%。銀行はその本来の役目である、実体経済への信用供給の役目を果たしているとはとてもいえない。直前の四半期には、中小企業の融資申し込みの半数が却下されている。銀行救済の結果、国家債務は2007年の25%から2010年の91%と劇的に膨れ上がったが、これはトロイカ指導のもと、さらに増え続け、目下のところ、2013年には124%に達すると予測されている。

アイルランド“救済”は実は金持ち救済

「政治エリートたちによる危機対策の主目標が、欧州の金融セクターと最富裕層の富の保護であることは私たちの調査結果から明らかだ。」とミッテンドレインは結論付ける。「そのために、彼らは社会全体の繁栄を犠牲にし、膨大な失業、貧困、悲惨を容認している。」

2008年以降、6700億ドルの公的援助が欧州の銀行に送られ、さらに何千億ユーロもの金がアイルランドやギリシャといった国を通して今も金融セクターに流れ込んでいる。救済されたのはアイルランド市民でもアイルランド国家でもなく、欧州の金融エリートだ。ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの社会学者・経済学者で、アタック・アイルランドの活動家アンディ・ストレイの分析もこの見方を裏付けている。「欧州の納税者がアイルランドのために貸した金の大半は、民間債務の肩代わり返済に使われた。この借金は、アイルランドであれ、欧州の他のどこの国であれ、一般市民の大半には何の責任もない金であり、この危機を加熱させた不当な債務だ。」
ラディカルな変革の機は熟している

欧州危機に対する政策をラディカルに変革する機は熟している。「我々の政府は、金融機関救済のために過剰な額の公金を与えるのをやめなくてはならない。」とミッテンドレインは要求する。必要なのは厳しい規制だ。“大きくてつぶせない”銀行は、社会全体の脅威とならないよう分割すべきだ。中期的には、利潤第一ではなく社会全体に貢献するものとして、銀行セクター全体がその業務を本来のもの-預金管理と融資―に限定するように変更していくべきだ。

社会福祉や保健医療制度の破壊を目論み、アイルランドや欧州で何億人もの人々を貧困に落としいれようとしている緊縮政策をやめさせなくてはならない。この政策を一般市民の利益を第一に考えた公的投資プログラム、EU規模で調整された税と経済政策に置き換えるべきだ。債務救済と、国際的に調整された財産税を通して、債権者と富裕層はこの危機の重荷を共に担うべきだ。「危機の代価はその原因を作ったものが払うべきだ」とミッテンドレインは言う。

「競争力協定」を阻止せよ

しかし現在、これまで述べてきたような政策がさらに加速されようとしている。これは絶対阻止しなくてはならない。EFSF(欧州金融安定ファシリティ)とESM(欧州安定メカニズム)のCEOクラウス・レグリンはアイルランドの“救済”プログラムからの卒業を「アイルランドとユーロゾーン全体の偉大な成功」と述べ、これを現在の危機対応政策が正しかった証拠として利用した。

政治エリートたちは現在「競争力協定」採用を検討している。これはアイルランドモデルを欧州全体に敷衍しというものだ。すべての国が、労働者保護法の改悪や賃金引下げ、民営化といった新自由主義政策の採用を公約させられる。

これらの政策の実施が、各国政府と欧州委員会との契約という形で保障される。欧州委員会は政策の進展をモニターし、アメとムチ(罰金)で実施を強要する。「競争力協定」はすなわち“トロイカよ、永遠に”ということだ。」とリサ・ミッテンドレインは結論付ける。「欧州内の広範な抗議行動のおかげで、この協定の採用は2013年12月から2014年6月へと先送りされた。私たちは、欧州の危機対策の方向を逆転させ、この“貧困化”協定を最終的に廃案に追い込まなくてはならない。」

連絡先 Lisa Mittendrein, Board Attac Austria +43 664 21 21 680 lisa.mittendrein(at)attac.at/Andy Storey, Attac Irland, Dozent für Politik und internationale Beziehungen, University College Dublin + 353 8765 43 872 andy.storey(at)ucd.ie

Footnotes(略)
 

1 件のコメント:

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