2010年4月30日金曜日

ハイチ大地震から債務帳消しを考える

マッカーティン・ポール(カトリック聖コロンバン会)

今これを書きながらインターネットのラジオにハイチの地震とハイチの人々の苦しみの話を聞いている。大変だ。債務のことがアメリカ、ヨーロッパなどのメディアによく取り上げられている。取り上げられているのはハイチの地震のせいだ。

ハイチも債務を抱えている。ハイチは2009年に利子だけで50億円も払った。世界で最も貧しい(貧しくさせられた)国の一つであるハイチが利子だけで50億円も払った。ひどい!憤る!ハイチ復興のため、まず債務を帳消ししなければならないと多くの人々も団体も叫んでいる。台湾とベネズエラは債務帳消しを検討するとしている(ベネズエラは帳消し)。債務返済にお金を回していたことから、地震に耐える丈夫なビルなどをたてることができなかったと考えられる。

多くの国々で人々はハイチのため募金活動している。芸能人やミュージシャンもコンサートを開いている。あるコンサートでは57億円の募金を集めたそうだ。しかし債務を帳消ししないとハイチに送ったお金は債務返済に回される可能性がある。つまり、ハイチの人々を助けないかも知れない。右手であげて、左手でとる、というふうに。

地震の直後、大型豪華客船がハイチのプライベートビーチに寄航した。近くではハイチの人々が苦しんでいる時に、よく遊べるものだという議論が起こった。船会社は困った人々に食料品、薬などを運ぶからと弁明した。食料品、薬などを運べば貧しい国のプライベートビーチで遊んでいいのだろうか。私は疑問を持つ。

豊かな国々(私たち)は貧しい国々から債務返済としてお金や資源などを奪っているから豊かなのではないか。お金が余っているから豪華客船に乗れるのではないか。飛行機で海外に行くのが当たり前と思っている私たちは、二酸化炭素を排出して温暖化を起こして環境も破壊している当事者でもある。生活の仕方を考え直す必要がある。

カトリック聖コロンバン会 債務ニュースより抜粋転載