2009年6月5日金曜日

Debtばい! 第一号

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 ※Debtばい!は債務帳消し問題を扱うニューズレターです。自由にダウンロードしてご利用いただけます(技術的な都合で、第一号はほぼ画像化されたPDF形式のファイルでお送りします)。

▼第一号の内容
・Debtばい!を出すよ 創刊の辞…のようなもの
・エクアドル、不当な債務との闘いの前進 ベバリー・キーン
・「不当な債務に関する南北国際キャンペーン戦略会議」報告 春日匠
・Book Review 豊かな国々が貧しい国々を搾取する 不当な債務をあつかった2冊 ポール・マッカーティン
・再び Illegitimate Debt (不公正な債務、不当な債務)について(上) 大倉純子
・難民をうみだす「経済援助」になりはしないか? パキスタン政府への無償資金協力を批判する 秋本陽子


▼Debtばい!を出すよ 創刊の辞…のようなもの

(デットとは「債務」、ここでは発展途上国といわれる国々が主に豊かな国々やIMF、世界銀行といった国際金融機関、民間銀行に対して負っている債務のことをさしています。「バイ」はもちろん、バイバイの意味、そしてメンバーの一部が博多出身やけん・・。覇権争いでその内、「デットどすえ」とか「デットだっぺ」とかになるかも知れません。)

 金融危機が世界中を揺るがしています。これは結局、債務返済能力の低い人にまで野放図に住宅ローンを貸し付け、またその債権を細切れにしてばら撒いたことに端を発していますが、一番大きな影響を受けているのは、先進国内でも金融商品の売買などにまったく縁がない人たちです。そして世界規模でも、貧しい国の、特に貧しい人々の方により深刻な影響が出始めていますが、それがどれほどの大きさになるのか、まだ実態がつかめないと言った方が正確でしょう。

 世界銀行は今年中に世界で5300万人の人々が新たに極度の貧困状態に落ち込み、20万人から40万人の赤ちゃんが死に至ることになるだろうと報告しています。一次産品価格の下落は、歳入のほとんどを銅や石油輸出に頼るザンビアやナイジェリアといった国々に深刻な外貨不足と失業をもたらしています。

 反貧困国際NGOアクション・エイドは、世界経済の低迷で今年末までにアフリカ全体が500億ドルの減収になると試算しています。同時に、通貨の切り下げやリスク・プレミアム(利子の上乗せ)上昇で途上国の債務返済負担が増しています。英国のジュビリー・デット・キャンペーンは41カ国のもっとも危機の影響を受ける貧困国のうち、38カ国の債務が返済不可能となるという試算を出しており、2700億ドルの債務帳消しが必要になるとしています。

 4月のG20でも「貧しい国への深刻な影響」が議題となりました。しかし、1.1兆ドル!と喧伝された救済策のほとんどはIMFや多国間開発銀行の貸し出し能力の増加です。そのうちどれほどが今年中に最貧国に行くのか、という問題を別にしても、結局は借金を増やさせるという形での赤字補填という根本的問題は解決していません。

 アフリカからG20に参加したのはAU議長を除けば南アフリカ一カ国だけ。最近の国際会議の流れに反して市民社会組織も完全に排除されていました。192カ国が公平な立場で票決できる(そして市民社会組織の意見もはるかにインプットしやすい)国連という場がありながら、実質的な政策決定は経済大国、IMF/世銀が乗っ取っていくということが歴史的に続いています。
 人類の運命の分かれ目と言っても過言ではない気候変動対策においても、「2013年以降の(国連気候変動)枠組みにおける新たな資金システムが有効となるまでの暫定措置」としつつも、途上国の温暖化対策のために先進国が提供する資金のほとんどは世銀内に設置された気候変動投資基金を経由します。金融危機同様、ここでも温暖化にほとんど責任のない途上国が、その被害を一番に被る上にその解決のために融資を=借金を背負わされるということになります。

 どのようなことが国際金融や開発の場で起こっているのか、それに対して、途上国といわれる国の人々がどんな意見を持って行動を起こしているのか。どのような形の解決が一番公正なものなのか。私たちのアンテナに引っかかる情報を、これからできるだけニュースという形で定期的にお届けしたいと思います。

 UNDP(国連開発プログラム)は1997年、貧しい国が債務返済の予算を健康、福祉、水道に回せば、2000年までに2100万人の子供達の命が救われるだろうと報告しました。当時、どれだけの日本人にこの情報が伝わっていたでしょうか。
 私たちは専門家ではありません。いろいろ知らないこともいっぱいある、だから調べていきたいと思っています。皆さんも、いろいろな情報や知恵を、どうぞ持ち寄って一緒に楽しいニュースにしていってください。

 「でっと ばい Debt Bye!」編集委員会